I Found You / KOKIA

前回のアルバム「COLOR OF LIFE」(ライブ音源収録)の時、パートナーを亡くされた直後のライブだったようです。その後のアルバムだと思いますが、前回のアルバムとこのアルバムの真剣さが特に好きなんだけど、音楽性が変わったと一蹴している方もいらっしゃいますね…。

歌詞を追って聴けばわかるというか、わたしは「COLOR OF LIFE」の中の「映画のような恋でした」も個人的にすごく好きですが、このアルバムの真剣さもすごく好きです。前回のアルバムでもこの状況でこの歌詞の曲を歌うのはとても辛いだろうなぁという曲も結構ありましたね。

その後々のアルバムでもKOKIAさんは何を引きずっているのかというようなレビューもあった気がしますが、普通は…一生…引きずりますよね…。ご自身の気持ちを歌にしているのに、その人は事情を知らないのだろうけど、軽い気持ちでイチャモンをつけるのを正直やめてほしい…と思ってしまいます。

いろいろなこと…きっとものすごく苦しいことや救われたこと、想定外だったこと、いろんなことがあった分、歌詞の内容に深みがどんどん出ているのだけど、イチャモンが目立ってなんだか。

「Tokyo Mermaid」というアルバムでは最後が死をモチーフにしていると言っても、明らかに恋人の死から作ったと感じられる歌ですよね…暗くて湿っぽくてとか、なんかイヤとかそういう人も稀にいるんだけど、そういうことじゃなく、KOKIAさん自身が一番真剣に向き合わざるを得ない出来事だった…。

実際は死と言ってもそれをどう感じたかで、暗いと感じる人は感じるのだろうけど別にわたしはそう感じないです。深みを感じる。ずっと前のアルバムみたいに全部明るい曲にしてほしいっていうの、かなり無理な注文な気がします。平常モードのKOKIAさんが作る明るい曲と、よく考えている時に作った曲が混じってくるのは普通のことな気がする。

「Tokyo Mermaid」でもわたしは暗いと評価されがちな曲の方が好きですが(最後の3曲くらいなのかな…)「言葉の向こう側」もすごく好き。1曲目でお化けでも会いたいと思う時もある、と愚痴りたくなる時だって人間、あるんじゃないの?となんとなく感じるので。

「I Found You」の時のような希望に満ちた波の時もあれば、過去をどうしても振り返ってしまう時期も来る…だからと言って今周囲にいる人に感謝していないとか、愛していないとかそういう問題ではない、過去を簡単に前向きさ一色だけにして消化できたりはしない、いつもいつでも前向きではうわべだけで内面が苦しくなり、前向きさを見せるだけでは無理があるのが普通の人生なんじゃないかなぁ。

「Where to go my love?」のアルバムの時、なぜか歌声がいつもより暗く感じたり、Where to go my love?の歌詞のまんまで何かいつもと違うのを感じたりしました、過去に。

このアルバム「I Found You」の中からオンラインライブで歌われたのは「Dear Armstrong」「Family Tree」だと思います。「おいしい音」とかも歌ってほしいなというほのかな希望です。(「I Found You」は初回限定版でないと肝心の曲が入っていないという感じがします。)